「あなたひとりで何を考えているの?」
「いえ別に」
「嘘」
「え?」
「ですよね、リアリ」
これは一体どういう目なのでしょうか。
私達が都から帰ってきてからずっと考えていました。どうすればルクベスさんが秘密を守ったままにしてくれるのでしょうか。でもその前に本当に領主様殺しのことを知っているのでしょうか。あの人の言うことだとルクベスさんしかありえないと思いますが、そんな人なのか。私は構わなくても奥様の身に危険が及ぶようなことをわざわざするのでしょうか。二回しか会っていないあの人のことをルクベスさんよりも信じていいのでしょうか。だけれども、絶対嘘をつく方じゃないう。なぜかは分からないですけどきっとそうだと教えてくれているんです。何かが。だから私は墓穴に入らないようにルクベスさんをどうにかしないといけないんです。だから、私はずっと考えて馬鹿な頭をうんと働かせないといけなくて、ですから、その。
「あの、私は」
「何?何かを言うなら早くしなさいな。朝を迎えてしまいますよ」
「申し訳ございません」
「リアリ、安心しなさい私は怒っているわけではないのですよ。ただ、何をずっと考えているのかしらって思っただけですよ」
「えっと」
「ねぇ教えてくださいな」
お教えした方がいいのでしょうか。駄目です、どうして。これは全て私が奥様とおしゃべりをしたいわがままから始まったことなんです。私がいなければ奥様は領主様を殺すことは無かったんです。それに死体通りさんは私に言ったんですから、私がしないといけないんです。全ては私が。だから奥様を巻き込んではいけない。そうですよね私。だから私は。
「本当に何も考えていませんよ。ちょっと疲れちゃってボーっとしちゃっただけで」
「ねぇ、リアリ」
「はい奥様」
「わたしと貴女はどういう関係なのですか」
「奥様と使用人です」
「そうです貴女ならそう言うでしょうと思いましたよ」
「はぁ」
「では、使用人が主人に嘘をついても良いと思いますか」
「それは」
私は嘘なんてついてないんです。
「本当に嘘をついてなかったらごめんさいね。でもね、わたしはあなたをずっと見ているのですよ」
「おくさま」
何もいえない。口がどうして動かないのでしょうか。
頭が動かなくて体が熱くなって、
「リアリ、リアリ。私はおしゃべりをしているのですよ、だから何かを話してください」
「あの、」
見ているずっと見ている。わたしを見ていて、部屋は乱費の光りで薄暗くて窓が見えて外は真っ暗闇で奥様の肌には影がゆらゆらしていて、碧い瞳で見ている。きっと碧い仲に私が映っている。わたしを見ていて、顔は微笑んで入るけれど。奥様はまるで雲のように白い肌で。綺麗なお召し物をしていて私は。 今息をする音しか聞こえてくれなくて。私は。
「あの」
本当に喋っていいのでしょうか。私は嘘をついてないんですって。でもそれは奥様に嘘をついていることになって、でも嘘をつくことはだめで。あれ?どうして嘘をつかないといけないの、私はどうして今こういう目で見られているのでしょうか。私はルクベスさんが秘密を喋らないようになんとかしたいんですって言えばそれで。言ってしまえばいいんです、そうすれば奥様の目で見られることが無いのですからいやダメですよ!私で全てやらないといけないから言わないのです。ええとだから。
「ねぇリアリ
リアリ
リアリ
リアリ
今日はもう眠ってしまいましょうか」
そうして、寝台に入って横になって。いつもはいつまでもおしゃべりをしたいのに今日はもう話しかけてくれないことが嬉しい。怖くないけれど、奥様を怒らせて締まったのでしょうか。都で奥様に嘘をついて、きっとあの時私は奥様を裏切ってしまったのですね。だから今嘘ついても大丈夫だと思ってしまったから。正直に言えばよかったのでしょうけど、でもそれは奥様を更にわたしのせいで巻き込んでしまいますし。でもそれで嘘をついたら。嘘をつくか、巻き込むか。でも、私が何も出来なかったら奥様も領主様と同じお墓の穴に入ってしまうから。これをずっと黙っていることがもしかしたら一番いけないことなのかもしれない。いいですかリアリそれは何度も何度も考えました。それで私一人でやると決めたじゃないですか。そうですよはいそうです。私は奥様がこれからもずっと楽しく暮らしていけるために頑張るって思ったじゃないですか。そうですよリアリ。私が嫌われてもそれで良いんです。一番は奥様のためなんですから、そうです、そうなんですよ。だって私は奥様の使用人ですから。
さて、そうは思っても今どうすればいいのか分からないのは変らないままなんですよね。ルクベスさんのことを信じるべきなのか、死体通りさんを信じるべきなのか。仮に死体通りさんを信じたとしても、どうやって聞きましょうか。私が領主様を殺してしまったことを知っていますよね。もし知らなかったら自分で告白してしまっていけない。私の秘密を知っていますよね。何のことだかわかってくれるでしょうか、まず私はルクベスさんに嫌われているのですからちゃんとお話をしてくれるのでしょうか。難しくないですかあの、お話がありますといったらちゃんとしてくれるでしょうか。やっぱりお話できたとしても、あのことを喋らないでくれると約束してくれる所までお話できないかも。とてもとても難しい。まずお会いして、大切なお話があります。もうここで、あなたとお話なんてしたくありませんと言われちゃったらもうどうしようもない。もし、良いですよと言われたら、ええと、、、、、、、、、やっぱり私の秘密知ってますか?しか思いつかない。もっとこう、領主様のことをそのまま言うのは駄目だけれども、もっと、こう、何か。ルクベスさんにこれ以上悪く思われたくないからどうすれば仲良くお約束が出来るのでしょうか。
こうして窓を拭いているとあの時みたい。ここから、読書をしている奥様が見えて喋らないでおしゃべりが出来た。あの時は領主様がいらっしゃってお屋敷の外に出ることが出来なかったけれど、まさか私が奥様の侍女になれるなんて思わなかった。大切なお仕事のときはお屋敷で留守番ですけどね。奥様は一緒に連れて行ってくれようとしれますけど、このままじゃずっと今の領主様に侍女だと思ってくれない。私がすぐにお仕事が出来たら何処へでも行けますのに。お化粧も髪結いも上手く出来なくてお外に出ても嘘をついて奥様を置いて言っちゃうし。やっぱり私はこうして窓を拭いている方が良いのでしょうか。きっとそうです。でも、私がやらないと誰もやってくれる人がいないんですから。そうですだから頑張らないと。でも、きっと。
「リアリ様」
「はい?あ、ゾンナさんこんにちは」
「いつも言わせていただいておりますが、リアリ様ははもうやらなくて良いのですよ」
「そのリアリ様というのやめてくれませんか。恥ずかしくて」
「リアリ様は奥様の侍女でございますから。そういう訳にはいきません」
「ですけど」
私に仕事を教えてくれたゾンナさんにこんなこと言われるはまだムズムズしちゃう。慣れないなぁ。
「どうぞ、窓は吹かせていただきますので部屋にお戻りください。庭をお散歩してきても良いですが」
「そのぉ、奥様に置いていかれちゃったのでやることが無くて」
「そうだとしましても、おやめになっていただきたいのです。怒られてしまいますから」
「ごめんなさい」
奥様のように頭が良かったら沢山の本を読んでお待ちできたのに。
「リアリ様はもっと、奥様の侍女としてのお気持ちをお持ちください」
「は い」
おとなしく奥様のお裁縫でもしていよう。本当に私はダメだなぁ。何をやっても上手くいかない。そういう時は大人しくしていよう。奥様のお部屋の窓でも拭いていよう。
「お部屋の窓を拭こうなども考えないでください。我々の仕事ですから」
「何で分かったんですか」
「私はリアリ様のことをずっと見ていましたから分かるんですよ。ずっと使用人をやっておりましたので」
「なるほど」
「失礼ながら本当に分かっていますか。リアリ様は自分のことしか見えなくなるところがありますから」
「そうなんですか?」
「ええ。リアリ様は近くに私がいてもお気づきにならないことが多かったですから」
「そうだったんですか」
「一心不乱に床などを磨いておりまして、お仕事に熱心なのは良いことですが」
「その時はごめんなさい、えっと申し訳ございません」
きっとその時はお仕事じゃなくて奥様の事ばっかり考えてたんだと思います。本当に真面目にお仕事して無くて本当にすみません。それを言ったらゾンナさんもさすがに怒りますよね?今は言えませんが、本当にその時はすみません、私の中だけになってしまいますがすみません。こういうところが私のことしか見えないところなのかもしれません。自分が怒られるのが怖くて、本当のことをいえない。そうです私はずっと私のことばっかり。奥様のことを思ってお仕事をしてきたんじゃないですかそうですよ、私は今まで私のためだけにしか仕事していないじゃないですか。あの時も、貴族様の約束を破りたくないから奥様に死体通りさんを黙っていた訳ではないじゃないのですか。私が喋ってしまったことを貴族様に知られて怒られるのが怖かったのではないのですか。あの時は奥様のことを思ってなんて思っていたけれど分からなかったけれど本当はそうだったのではないのですか。だって奥様なら死体通りさんの話を聞いても、きっと私にも貴族様にも悪いことが無いようにやっていたはずです。だって奥様なんですから。そう考えればあの時私が言われた言葉も悪魔みたいな顔だってことも。私のことしか考えていない悪い心を分かっていたからだからそれで。
「リアリ様?」
「はい!」
「どうなさりましたか、そのような顔で」
「あくまみたいなかおでしたか?」
「はい?」
「いえ何でもありません。ゾンナさんのおかげで素敵なことが分かったんです本当にありがとうございます」
「そう言っていただければ幸いです。それでは仕事に戻らさせていただきます」
「あ、はい。長々と喋らせてしまって申し訳ございません。私は大人しくお裁縫でもしてまう」
「リアリ様落ち着いてください」
うだそうだ落ち着こう、ちょっと自分でも慌てすぎちゃった。変なこと言っちゃって恥ずかしい。
「それじゃ、ありがとうございました」
「リアリ様!」
「はい?」
「最後に一つ」
いつも真面目な顔が柔らかくなった。
「リアリ様は私達と同じ下級使用人から奥様の侍女になられたお方です。失礼ながら農民の娘である貴女様が奥様の下で働くということは。私はリアリ様ならきっと素敵なお方になって奥様を支えることが出来ると思っているのです。ですからどうか」
「はい、頑張って落ち着きます」
「そうですね」
ゾンナさんは笑ってお仕事に戻った。私も仕事をしなければ行けません。奥様の侍女なのですから。
私は奥様を巻き込みたくないから黙っていた。でもそれで本当にいいのでしょうか。これで私のせいで悪いことになったらどうしてくれましょうか。私の頭が悪いことは私が一番知っています。知っているのにその頭だけで考えて。奥様自身にとっても大事な話なのに巻き込みたくないって何ですか。もう巻き込んでしまっているのに自分にとって一番大事なことを知らされないで私一人で考えることは愚かなとっても愚かなことです。ありがとうゾンナさん。私は私以外の方のこともきちんと考えるようになります。
奥様が帰ってきて、二人だけになったら、こう話し始めよう。
「本当に申し訳ございませんでした」
「どうしたのですかいきなり」
「私は奥様のためと思って色々なことをしてきましたが、気付いたんです。本当は私のためだったんです。私がしたいから私が怒られたくないから、私が奥様に気に入られたいからやっていて本当は奥様のことなんて何も考えてなかったのかもしれないって」
「そんなことありませんよ」
「奥様はお優しいからそう言っていただけますが、本当は違うんです。私は大きな大きな嘘をついてしまいました。奥様のためだと思ってしたことでございますが、本当は私の事ばっかり考えていたせいだったんです。奥様のことを思っていれば嘘をつくべきじゃなかったんです。こうして長く喋ってるのも奥様のことを考えていませんねすみません」
死体通りさんのことをすべて話した。きっとお怒りになるか呆れてしまうでしょう。そう思っていましたのに、とても穏やかな顔で話を聞いてくださっていますね。そうですね、奥様はそういうお方でしたね。黙って私を見ていて、でも怖くは無くて。嗚呼やっぱり私は身勝手だなぁ、悪いことをして謝っているのに今とてもキレイって思っています。あっ口を開いた奥様が言葉を。
「リアリ、私は貴女が嘘をついたことが嬉しいのですよ」
嬉しい?どうして。
「それはどういう」
「貴女は真面目な人ですから悪いことの為に、本当の意味での自分だけの為に嘘をつくことは無かったでしょうしこれからも無いでしょう。自分のために嘘をついても、全て他の人を思う気持ちがあるからでしょ。だから私は貴女が好きなのです」
好きと言われました。この私に。これまでの私のことを好きと言ってくださって
「ありがとうございます」
「いいえ、そう言われることは何もしてませんよ」
私が笑って奥様は微笑んでいる。何だかずっと持っていたものがなくなったみたいでとっても体が軽い。
「さて、ではリアリが一番悩んでいるお話でもしましょうか」
「はい」
気持ちを引き締めなくちゃ。
「その方が貴女をからかったのか本当のことを言ったのかは分かりませんが、ルクベスなら知っていてもおかしくは無いですね」
「どうすればよいのでしょうか」
「私のことをどう思っているのか全て教えてくださいと言えば良いですよ」
「それで大丈夫ですか」
「ルクベスは感情的な人ですから、張本人に聞かれて秘密を隠し持ったままなんていうことは出来ませんから。包み隠さず言うでしょう。貴女を快く思ってないことも確かですから大丈夫ですよ」
「そうですか分かりました、それで聞いてみますありがとうございます」
「リアリ、お礼なんていわないで」
「ですが」
「わたしは貴女の主人じゃなくて、貴女と同じ素敵な人を思うあまりに近畿を犯した罪人なのですから。そうですね、先ほどは否定しましたが確かに貴女は自分のことばかりで悪いお人ですね。私も共に罪を背負わないといけないのですから背負わせてくださいな」
そうか、私は領主様と同じように奥様を人だと思っていなかったんだ。女神様は人じゃなかったんだ。私は領主様を殺した、奥様は私のせいで領主様を殺してしまった。私一人だけ悪いんじゃなくて。
「奥様も同じように悪いのですか」
「ええそうですよ、そうなのですよ。リアリ、だから墓穴に入るなら共に入りましょう。あなたと同じ人としてわたしはいたいのです」
「お話とは一体なんでしょうか」
「私のことをどう思いますか」
ルクベスさんは私のことを悪い目で見ている。私とルクベスさんの二人っきり。怖いけど怖くない、私は奥様のために奥様は私のためにこのことを言ってくれたんだちゃんと聞かないといけないんだ。
「それはどういう」
「そのままです」
じっと睨んでいて、ずっと続くのでしょうか。でも口を開いた
「リアリさんのことは嫌いです」
「どうしてですか」
「奥様は可哀想なお方です。先代様の元に嫁がれてから人としての全てを奪われてなんて哀れなんでしょうかと。ずっと侍女そして唯一の話し相手としてお側にいさせていただきました。本当なら話し相手も侍女も一人ではなく何人かいるべきですのに、一人だけと聞いたときの驚き、そして始めて対面した時に感じた奥様の孤独をリアリさんは知らないでしょうね。お聞きになったでしょうけど、奥様のせいで使用人が一人亡くなりました。全ての動きがしに繋がるなんておぞましい生活なのでしょうか。その中をただひたすら生きていたお寂しいでしょうに強く生きていましたのにリアリさん、あなたは奥様を狂わせるだけじゃなくて先代様を殺しました。あなたほど恐ろしい人を知りません」
やっぱり、ルクベスさんは知っていたんだ。
「殆ど外を知らない奥様にあなたのような純朴な娘は大層鮮やかに映ったでしょうね。最初こそあなたは憧れで近寄ったのでしょうが知らない間に上手く取り入って愛人になるとは思いもしませんでした」
「あい・・・」愛人ってあの、愛の人でとても愛されている人のことで。
「そんなんじゃ」
「あなたは否定するでしょうね。ですけど側からずっと見ていた侍女として言わせていただきますと愛人でしかありません。魅了し一時の快楽を提供するだけの人。父も何人も作っていましたがそのすべてが母に劣るおぞましい女共でした。あなたは全く同じなのですよ」
どうしようなんていえばいいのか分からない。
「あんなに、自分を守っていた奥様はこのまま続けたらどうなるのかお分かりになるでしょうに、その考えをあなたは鈍らせた。そしてそれはついに白日の下に晒され先代様の知るとこになった」
ついにあの夜のことを。
「激昂した、先代様は貴女へ刃を向けた。斬られお亡くなりになってしまえばよかったのです。そうすれば先代様も多少は冷静になって階段から落ちるなんて」
「ふぇっ!」
「ふざけているんですかそんな素っ頓狂な声を出して」
「違います、もう一度言ってください」
「ああ、ええ何度も言いますよ。あなたはあの夜斬られてしまえばよかったですよ」
「ええとそのあとも」
「何ですか全く。切られれば領主様も冷静になって階段から落ちるなんてみじめな亡くなり方をすることはなかったでしょうに」
ルクベスさんは、領主様が私たちで殺されたことを知らない。だよね、だって二人っきりで嘘をつくはずが。こんな酷いことをいったのにそこだけ知らない嘘を言うなんて。ルクベスさんは私達をお墓の穴に入れない。ルクベスさんは良い人だ。
「ルクベスさんの言いたいことは全てわかりました。奥様のことを思っているとても優しい人です。だからこれからもずっと一緒に奥様のお側にいましょう」
「話を聞いていましたか」
「はい。だから一緒に」
「ではもっと分かりやすく言います。このお屋敷から出て行ってください」
「え?」
「奥様に愛人は必要ありません。もっと素敵な殿方を出会うのです。ですからあなたはこのままでは邪魔なのです。あなたがいなくなれば奥様も正気になるでしょう。第一、侍女ならともかく奥様の話し相手は私のようにある程度の身分を持った人間ではなければいけないのですから。貴女のような農民の娘では不釣合いなのですよ」
「そんな」
「出て行ってください」
そんな、まさかここまで嫌われていただなんてどうすればどう話をすれば。
「あの」
「出て行くのはルクベスあなたですよ」
「奥様」
奥様、お部屋にいたのではないのですか。
「醜い行いですが話を聞かせていただきました。ルクベスあなたの言っていることは自分勝手をわたしに押し付けているだけです。自分のことばっかり」
「そう言う訳では」
「それにわたしを魅了して愛人になっただなんて勘違いもはなはだしいい。わたし達二人が共に魅了しあってお互い愛人となったのですよ。」
「それはどういう」
「リアリはわたしのことを思ってくれます。わたしの為ならいかなることもしてくれるでしょう。いえ実際してくれました。そんなリアリを私は愛しているのですよ」
「そんな」
「主人が愛している人を追い出そうだなんてそんな使用人はいりませんすぐ出て行ってください」
何だか凄い事を言われた気がしますけど凄すぎてよく分からない。一体今は何処なんでしょうか
「そんな、奥様がそんなことを言うなんて思いもしませんでしたわ」
ドスドス音をさせてルクベスさんが出て行ってしまった。残ったのは私と
「あの奥様」
「言わないでリアリ」
「あの」
「今、とっても恥ずかしいのですから」
今まで私は奥様はとても美しい女神様だと思っておりましたでも、今は。
「奥様はとても美しい人です」
「何ですかいきなり」
瞬間凄い声が二つ聞こえてきて大きなものが落ちる音が。どうしたのですかと外に出るとあの階段で、あの忌まわしき階段で。あの階段の下でルクベスさんとゴルドン様が重なって倒れていた。