私います、都に!
私が乗ってる馬車はビュウビュウと大きな茶色の間を通ってる。それが何処までも並んでるけど、その茶色は大きな家やお店でそれが石でできてる。まるで一個の大きな石が続いてるみたい。石に大きな穴を開けてそこに入ると窓を作ってこんにちはって。でもそれは小さい四角があるから煉瓦で出来てることはわかるんだけれども。ひゃースゴイ。お屋敷だったらずっと遠くまで見れるのに、ちょっと先がもう。花も草も全然無いし、下見ても左見ても下見ても建物しかないなんて。こんな道お屋敷周りしかないのにこれが全部続いてるんだすごい、都だ。外なのにまるでお屋敷の中にいるみたい。
「リアリ、あまり身を乗り出すと危ないですしみっともないですよ」
「申し訳ございません」
怒られちゃった、でもこんなすごいんだもの。私だけ降りて歩きたいけれどそしたら奥様達にご迷惑をかけてしまいます。すごいなぁ、馬車の外を白い物通り過ぎる。こんなにいろんな言えやお店が隣で並んでいるなんてお話の中だけではなかったのですね。ルクベスさんとは狭い場所にいるのなんて初めてだけれども、奥様がいなかったら。くよくよ考えても私には分からないから楽しくしよう。
「いつものようにお話の間は外で待っていればよいですか」
「そうですね。でも今日はお伺いする訳ですから廊下ではなくきっとどこか部屋の中で待つことになるでしょう。お父様がいなければ一緒に入れるのにですね」
「その代わりにいますので」
「あっ、ではあのお願いしますルクベスさん」
「ええ」
今の返事は間違えたかな。どうすればよかったんだろう、羨ましいです私もご一緒に居たかったですあははは、と言ったら多分なんて馬鹿な娘でしょうだからこんなのが奥様の側に居るのはやっぱりおかしいだって思われるよね。そしたらもうどうしようもない。いいですかリアリ私は奥様をおかしくさせた理由で領主様が怒って階段から落ちたせいでもあります。そんな人をすぐに許せますか。許せませんよね、そうですよねごめんなさいごめんなさい。
「急にどうしたのですか。楽しそうな顔だったのに」
「あっ、ちょっと馬車のガタガタで気持ち悪くなっちゃって」
「大丈夫ですか、まだまだ着きませんよ」
「大丈夫です」
「一度屋敷に行きますがすぐにもう一度乗りますから、もし体が優れないのなら屋敷で休んだらどうですか」
「いえ、私は奥様のお手伝いをするために来たのですから休みません」
「奥様そうですよ、リアリさんがそういうのですから気にする必要は無いですよ」
私のことを気にする必要はないっていうのは、嫌われているから?いいえ、元々奥様が私のことを気にすることがおかしいのです。ルクベスさんは普通のことを言っているだけ。そうだ、きっと今悪いことを考えちゃうのはあまり馬車に乗らないからこのグラグラで変な感じになっちゃってるだけだ。ずっと乗っていれば慣れるはず、そしていつきかきっとルクベスさんとは仲良くできるはず。私が難しく考えても奥様のように考えられないんだから楽しまないと。ということで良いんですよね。お屋敷にことを考えなくちゃ!きっと都のお屋敷は金のお城ではないけれどとってもピカピカしているんだろうなぁ。大きな都の大きなお屋敷。奥様の所とどちらが美しいのかな。やっぱりお屋敷の方が、いやでもこんなに大きな都だから、とっても大きな。
「小さいですね」
「街屋敷ですもの」
「リアリさん、あくまで夜会や仕事などで都に滞在する場合に使用する屋敷ですから大きい必要はありません」
「そういうものなんですね」
「おい、さっさと入れ。すぐに向かうんだぞ」
「そうですね、早くしないといけませんね」
小さな声で
「私がいないと何も出来ませんから」
楽しそうで私も楽しいです。ルクベスさんが見ている目が雨みたいですけれど。
早く入って準備をしなければいけません。だけれども準備って、都でお話をするときは私はいつもの服で大丈夫なのでしょうか。もっと特別なものを用意しないといけないのでしょうか。いえ、ずっと使っていなかったお屋敷なのですから掃除しないといけないのでしょうか。そうしたら、私はここに残ってお掃除しないといけないのでしょうか。
奥様が管理人さんとお話している。領主様がいた頃は一度もこれなかったみたいだけれど管理人さんと仲良さそう。このお屋敷、とてもピカピカ。ホコリが全然無い。管理人のおじさん一人でやったのかな。挨拶終わったルクベスさんが奥様に着いていく後ろを着いていく。初めて見るものばかりで、うっとりしちゃったらちゃんと仕事が出来ない。気をつけないとダメですね。でも、外は小さいけれど中はずっと綺麗。向うのお屋敷はいろんな美しいものが置いてあってキラキラしているけれど、こちらはちゃんとあるところあるみたいな感じ。草の原っぱを見ているみたい。やっぱり奥様のお屋敷は何処でも全部綺麗なんだ。でも、そればっかり考えちゃ駄目です。都に行かないといけない用事はきっと物凄い大事なこと。いつもみたいにルクベスさんを見ているだけではきっといけない。どうしようお腹が痛くなってきた。でも頑張らないと。
せっかく、お客様のお屋敷に来たのに、いえ。私たちがお客様ですね。貴族さんのお屋敷、でも奥様も貴族さんですから。知らない人のお屋敷にまで来たのに、そうですよね大事なお仕事の話ですもんね。でしたら私街屋敷で留守番をしていましたのに。ああでも、知らない貴族さんの知らないお屋敷で一人っきりというのは。ゴルドン様が言わなければ私も同席出来ましたのに。でも元々ここにいることがおかしい、奥様が優しいだけであってゴルドン様が正しいはずなんですから。よし、お話が終わるまでどうしてましょうか。ここは使用人部屋なんでしょうか。何も無いです、灰色です。奥様は一体今どんなところでお話をしているのでしょうか。ゴルドン様の隣できっと何を言われたとしてもそれはそれはきちんと
扉が開いた、ちゃんとしないと。
「はい」
「おや、お嬢さん一人かい?」
「は、い。そうです、けど」
このお屋敷の人?でも、それにしては格好が良くない。泥だらけでまるで、ううん畑の人にしては体が細い。まるで、そう、まるで亡くなった人みたい。おじいちゃんが無くなった時みたい。これは失礼ですね。
「あの、あなたは」
「私はねえここの主人に呼ばれたんだよお嬢さん。だけどもなんと大事な話をするからここで待てと。ねえお嬢さん酷いと思いませんか?」
「はぁ」
「ええあなたはそうでしょうね」
「はぁ」
こういう時どういえばいいのでしょう。ええと私達のせいでまたされちゃったと、申し訳ないですけどそれはここの人が悪いから、私はどうしようもなくて。
「私はねお嬢さん、いくつもの墓穴をみてきたんだよ、穴だけでどんな人か分かるんだけども逆に人を見るだけでどんな穴か判るんだよお嬢さん」
「はぁ」
「あなたには深い墓穴が見えますよ。男の後ろを追うことになるでしょう、その始まりは」
扉が開いた。ああそうか、誰かが来たんだ。
「おや、旦那」
「君はここじゃなくて私の部屋で待っていなさいといったのに」
「へえ、ですが私みたいなのはここがお似合いかと」
「今は大事なお客様が来ているんだ。早く」
それは、の後は何ですか。結局何を言いたかったのか気になるんですけどもう行っちゃった。せめて教えてくれても。ちらっと見ることも無く行ってしまった。
「今のは、死体通りに住む男でまぁどうでもいい男だ。決してお前の主人には言うなよ」
「はい」という前にもう行ってしまった。凄い早口だった。あんなにバーッと喋れないなぁ私は。やっぱり、貴族の皆さんって優れているんだ。でもそんな方のお客さんだからあの、したいどおりさんも凄い人なのかな。でも結局何を言っていたんだろうか。深い墓穴と男の後姿。男の人墓穴。領主様、領主様!いやでもそんなはず無いです、私が領主様を殺したことを知っているなんて奥様しか。考えすぎ、いいえ貴族様のお客様ですもの。お墓と男の人を私を見て、ルクベスさんにゾンナさんに言われるのは分りますけど初めてお会いしたしたいどおりさんにどうして。もしかして私の後ろに居るのですか領主様。そうだそうだよお母さんが言ってた、昔悪い人に殺されちゃった人が亡霊になってその人に取り付いて殺しちゃった話。昔々。
「奥様私は死にます」
「気にしすぎですよ」
やっぱりそう思いますよね。それと変な手紙に言われたことが書いてあったことにしたのが駄目だったのかな。でも貴族様との約束を破ると奥様の邪魔をしてしまいます、なので嘘をついてしまいましたが。
「でも、私と奥様しか知らないことが書いてあったんです」
「手紙を見てみない限り分りませんが破いてしまったのですよね」
「はい、気持ち悪いので」
「墓穴が見えて男の後姿を追うだけでは、偶然私達のことのように読めてしまっただけではないでしょうか」
「でも、墓穴と男ですから」
「落ち着きなさい、ただの幽霊話を脅かそうと書いたとします。幽霊は女性か男性ですから。死者は墓穴にいますしね」
「それを私に書きますか」
「確かにそれは気になりますが、知っているのは私達ですから」
そうでしょうか。
「リアリ?」
「ルクベスさんは、あの日部屋の外にいました。私の傷を見ています。私が奥様を、奥様が私に優しくしてくれていることを知っています。もしかしたら」
思わず出てしまったけれど、そういえばルクベスは分っていても不思議じゃない。ずっと私達のおそばに居てくれたんですから。
「そうですかそうですね」
「でも、ルクベスさんだったら手紙を出さなくても私に直接言えばいいんです。ルクベスさんはきっと隠れて何かをするような人ではありません」
これは言わないと大事です。手紙なんてないんですから嘘のせいでルクベスさんに迷惑をかけたらいけませんから。奥様だったらもっと上手に相談が出来たのに。
「そうですね。では、やはり考えすぎではないでしょうか。誰かのイタズラでしょうがそれはあなたを怖がらせようとしているだけであの夜のことは関係ないと」
したいどおりさんが私を怖がらせようとしていた。初めてあったのに?お茶目な人なのかな、村のおじさんたちは確かに怖い話をしてビックリさせてきた人達がいたけれど、お茶目なのかな。
「でも心配なのでどうすれば良いでしょうか」
「そうですね。階段から落ちたのではないことが知れ渡るということは無いと思います。いえ、ルクベスが誰かに喋ってそれを聞いた誰かが忠告をしたのかもしれませんが」
!私達に聞かなくても誰かには喋っちゃったかも。いや、でもそういう人じゃないかな。とても優しくて前はおしゃべりしてくれたから私じゃない人の前でつい。ううんでも、違うかな。違います。それにルクベスさんはしたいどおりさんをきっと知らないから。
「ですから、あなたが気をつけるべきことは階段から落ちないようにすることですね」
「はい。でも、私階段から落ちちゃうほどうっかりしません」
「いいえ、何百回も階段を使っていても転んでしまうことはあります。それを気をつけましょう」
「はい」
そうか、きっと階段のことだったんだ。でも、やっぱりしたいどおりさんは領主様のことを知っていた。じゃあしたいどおりさんが誰かに喋るのかな。そうだ、何でそれを思いつかなかったんだろう。私は本当頭が悪いんだわ。したいどおりさんが、したいどおりさんが私を墓穴に落とすんだ。でも私だけじゃなくて奥様も奥様が墓穴に。
「明日はリアリが楽しみしていました場所に行きますからゆっくりお休みなさい」
私がずっと考えても何も出来ませんから休みます。
今、私が考えないといけないのは、したいどおりさんを探してどうして死ぬのか、領主様の後ろを追っちゃうのか。どうすればいい?まず、したいどおりさんに会わないといけない。どうやったら会えるのか貴族様のお屋敷に言って聞く。使用人の私が?奥様ならやっていただけるかもしれないけれど、どうすれば。手紙は嘘で本当はこのことはだれにもいうなよと言われたのに。だれにも言うなと言ったのになぜ言うんだ、こんな信用ならない娘が使用人の家とどうして仕事をしなければいけないのか。残念だがあなたの、結局今は何の仕事できたんだろう。教えてはくれたけれどお魚さんが今はそんなこと気にしてる場合じゃありません。奥様とお魚さんのためにこの考えはなしです。じゃあどうすれば。したいどおりに住んでいる人。じゃあそこへ行けばいい。でも、どうやって。明日は教会に行きます、塔に行きます。したいどおりという場所はそこの近くにあるのでしょうか。もし都の外から来た人だった。もし近くでも奥様と一緒にあの人に会う。そしたら何故あんな人と知り合いなのですかと聞くのでしょう。お茶目な人はあのお屋敷であったことを言っちゃうはず。そしたら、奥様はどう思うのでしょうか。貴族様がアレだけ知られたくないといっている人ですから、奥様も嫌いになっちゃうかもしれない。そしたら、あんな人を呼ぶ貴族と仕事はしたくないというのでしょうか。きっとそうです、あの人は私達二人のことを知っているんですから。ようやく領主様の魔法が解けたのに、そのせいで墓穴に入ってしまうかもしれないなら。私一人で、奥様を守らないと聞かないと。どうして知っているのか。でも、どうして。考えないと考えてずっと考えて。
「今日はどうしたのですか」
「いえ、何も」
「安心してください、領主は自分の顔を広げることに熱心になってますからここに近づきませんよ。今日はゆっくり、初めての都を楽しめばいいのです」
「でも私は奥様の使用人ですから」
「まぁ偉いですね」
「リアリさんそれは当然のことですよ」
どうしよう何も思いつかなかった。考えたままじゃ楽しめないでも考えないと。せっかく楽しみましょうといってくれてるのに。でもずっと楽しむためには今どうにかしないといけないんです。奥様がルクベスさんをチラッと見ると耳に口を寄せてくる。
「本当は二人だけなら嬉しいんですけど」
ルクベスさんに気付かれないように言う奥様は楽しそうですけど、私は今一人っきりになりたいんです。奥様が好きですから。
「見て、リアリ。素晴らしい彫刻ね。礼拝堂の入り口で信者を出迎える彫刻。まるで紙の使いのようですね」
「そうですね」
お腹が痛いです。これじゃあすぐ戻らないとおかしい。一人っきりで見てみたいです。私は奥様の使用人ですとさっき言ったばかりなのに。どうしよう、誰にも見られなくなったら大丈夫なのに。他に何か考えは、ええと。奥様のお使いなら一人で。何を?都で私一人だけに買いに行かせる物なんて。一人になっても死体どおりが遠くだったら嗚呼場所をどこだか聞かないと。どうやったら。奥様に聞かれないように。どうしたら一人で。
「まぁ前の方はとても混んでいるわね。休暇の時期でもないでしょうに」
「そうですね」
「どうしましたリアリ、ずっとボーっとしたような」
「いえ別に」
「疲れてしまいましたか?」
「いえ!はい、ちょっと初めてが一杯で」
きっと今考えたのは神様のお陰だ。神様の家だから私に教えてくれたんだ。
「では、帰りましょうか」
「いえせっかくの都なのにお邪魔するのは悪いです。ですから私一人で先に帰らせていただきます」
これなら奥様達が見物をしている間に探せる。出来るだけ早く帰れば気付かれずにすむ。
「私は帰っても良いのですがリアリの気持ち大事にしますよ。ここから屋敷は遠いですが大丈夫ですか」
「奥様、馬車は一台しかありませんから」
そうだ私馬車でここまで来たんだ。私が使ったら奥様が帰れなくなるし御者さんにしたいどおりにいったことが知られちゃう。駄目だ。
「では、乗合馬車を使いなさい。近くまで憑くでしょうからそこからは歩きなさい場所は分りますか?」
「はい」
「ルクベスさんリアリにお金をさしあげて。そうですね多めにさしあげたらいいでしょう」
「ありがとうございます必ず返します」
「それは当たり前です」
これで一人で行けるようになった。御者さんに場所を知られることも無い。よし上手くいってます。次はしたいどおりにどうやったら行くかです。少し離れてこの辺に。ええと、詳しそうな人は、分からないから優しそうな人に。
「すみませんしたいどおりって何処にあるか分りますか」
知らない、聞いたことない、ゴメンね分からない、今は時間が無い、急いでいるんだ。
「死体通りならば、ここから二つ通りを過ぎたところにあるよ。でも遠いからそこの乗合馬車緑の屋根のあれで死体どおりの近くまでといえば乗せてくれるよ」
「ありがとうございます」
「でも気をつけなさい。あそこは危ないから」
やった、思ったより近いから会って話を聞いてすぐに帰ればきっと奥様に気付かれない。あとは、きくだけ。したいどおりさんにあえば、、、、、死体通りにすむしたいどおりさん。どうしよう、誰だか分からない。
教えてくれた通りに死体どおりにたどり着いた。抱けども私にはどうしようもない。本当に駄目な子です。何で簡単なことに気付かなかったんだろう。名前もここの何処に住んでいるかも分からないのに。
この通りは暗くていまにも怖い人がいそうで怖い。それに死体通りって言う名前が怖い。かんがえてみるとしたいどおり死体通りしかないし。うわぁ怖いなぁ。もう帰ろうかな。ウン帰ろうか、でも奥様を守るために私はあの人を探さないといけないんだ。とにかく奥に行かないと。暗い誰もいない、誰かは住んでいるはずだよね。暗い、奥に。死体通り、さっきの親切な人は危ないって言ってたけれど、どう危ないのかちゃんと聞けばよかった。誰かに会って、とりあえずこんな人はいませんでしたか? と聞かないと。とにかく奥へ奥に奥へ奥へ奥に奥へ奥へ奥へ奥へ奥へ奥に奥に奥に奥に奥へ奥へ奥へ奥もっと奥に奥へ奥奥へ奥へ奥に奥へ奥へ奥奥へどうして誰もいないの奥に奥へ奥に奥へ奥に奥へ奥に奥へ奥へ奥に奥奥へ奥へ!
通りを抜けたら大きな気があるここは小さなお庭?死体通りさんが座っている。
「おうあ、昨日の」
「あの」
「言わなくても分かるよお嬢さん。墓穴から逃れる方法を聞きたいんだろ」
「はい、そうですそれを」
「ないよ」
「えっ」
「ないんだよ」
ここまで来たのに。奥様に嘘をついて怖い通りを歩いてここまで来たのに。墓穴を。墓穴を知っているのはあなただけなのに。知らないわけ内だって落とすのはこの人でしかありえないんだから。私をどうやって、私と奥様をどうやって領主様と同じ目に合わせるのか。
「私は知っているんです」
「何を?」
「あなたは知っているんですよね私のことをじゃあ私を墓穴に落とすのはあなたじゃないんですかあたなが」
「まぁ落ち着いて上手く口が回っていないよ」
「あなたは、誰も知らないはずのことを知っていました。それを」
「知っているんじゃない分かるんだよ」
「分かる?」
「顔を見るだけでそいつがどんな墓穴に落ちるのか分かるんだよ。これ説明したろ」
「ええと」
「気をつけなさい、人は寝墓穴に落とされるんじゃないんだよ墓穴に自分で入るんだ」
「それしか言ってくれませんか」
「そうだねぇ」
分かれ際!
「あの日、何か言いかけてましたよね。何を言おうとしていたのですか教えてください」
「ええとね、何を言うとしていたかな。ちょっと忘れちゃったなぁ」
この人は、私が使用人だからきっと子供だと思っている。領主様のことを知らないなら今私がどれだけ怖いか知らない。だからきっとふざけているんだ。私はこんなにも怖いのに。聞かないと奥様のことが。
「ああそうだ」
「なんですか」
「確かその始まりはと言ったんだ最後に」
「はい、そうですそのあとその後を教えてください」
「ええとね、その始まりは」
「はい」
「近くからやってくる」
「近く」
「そう近く。心当たりないかな」
近い心当たり私を墓穴に入れる。ルクベスさんしかいない。やっぱり史って痛んだルクベスさんは全てを。やっぱり私と仲良く出来ないはずなんだ私がひとごろしなのを知っているから。
「あの、奥様のことは判りませんか」
「流石にあったこと無い人のことまでは判りませんよ」
「そうですか」
でも、これでルクベスさんをどうにかすればいいことが分かった。奥様、リアリはやりましたよ一緒にずっとお側にいますから。しあわせに暮らしましょう。
「でも、結局は逃げられない」
「気をつければ」
「無理だよ」
どうしてそんなことを。
「おお、今の君とっても怖い顔をしているぞ、おお怖い怖い」
「怖い顔ですか」
この人なんだか楽しそうな顔で楽しそうに言っている。私は。
「今の君はまるで」
もし本当に逃げられないというなら、今私は自分で墓穴に入っているのだろうか。いやなこと考えちゃった。でももしかして逃げよう逃げようとしている内に気付かない内にいつの間にか今私がたどり着いた、今いるここは。
「悪魔みたいな顔だ」