【ブログ】チケプレとか割引とか。観劇支援企画「BITE POWER PUSH!!」のこと。

編集長の園田です。雑誌『BITE』誌面でやっていたBITE POWER PUSH!!という観劇支援企画を、ツイッターを中心に復活させてみました。

現在、平泳ぎ本店という若手カンパニーの次回公演『THEATRICAL POWER-POP』のチケプレ応募を受け付けています。詳細はBITE編集部の該当ツイートをご参照ください。締切は7月6日です。ご希望の方はどうぞお早めに!

「BITE POWER PUSH!!」について少し書いてみます。今のところ当企画は、演劇公演チケットのプレゼント又は割引を支援することを目的としています。詳細は劇団さんと相談して決め、劇団にとっても、また応募者にとっても、互いに前向きで有益な関係を目指したいです。

僕は、もう10年以上前からずっと危惧していることがあります。それは「若い演劇人には、自身や所属劇団と利害関係のある外部公演しか観に行かない(又は観に行けない)人が多い」という現実です。若手演劇人は、時間もお金も優先順位が決まっており、幅広い視野を持ち多様な公演を観に行くことが困難です。しかし、日本の小劇場はその多様性こそが大きな魅力のひとつであると、僕は考えます。実際に観劇することで、発奮したり、気付きを得たり、落胆したり、反面教師にしたり、様々な刺激を受けることは間違いありません。同世代に限らず、先輩劇団でも後輩劇団でも、同時代に上演される演劇には少なからずアンテナを張って欲しい。僕はそう考えています。

これは僕自身にも該当することですが「名前は知っているけれど観たことがない」という団体が、きっと相当数あるはずです。いつか観たいと思っているうちに、自分も、他団体も、平等に年を重ねます。それがポジティブな結果に繋がるとはあまり考えにくい。是非とも積極的に観劇して欲しいと思うのです。

僕が演劇を観始めたころ、とにかく1本でも多く作品を観ることにこだわりました。チケットを買い、チケプレも応募し、制作まわりを手伝いながらキャンセル席に座らせてもらったり。そうこうしているうちに、運良く演劇ライターになる機会があり、現在に至ります。演劇ライターになってからは、観る機会が格段に増えました。

そうして、ひたすら観劇しているうちに、ある日突然「あ〜、そういうことかー!!」と気付きを得たりするのです。「そういうこと」の内容は本当に様々ですが、一言でいえば「演劇を観る視座」を、ひとつ、ふたつ、みっつ、と徐々に会得していく感覚。これは右肩上がりの斜め線ではなく、一定期間を経てドンと上がり、また一定期間を経てドンと上がる、そういう「階段状の線」になっています。

ですから、数多く観ることは全く無駄にならず、むしろそういう行程を経ないと得られないモノが、きっと沢山あるハズです。僕の実体験が根拠ですが、これはハッキリ断言できます。

そういう気持ちがあり、僕はずっと「若手演劇人はもっと観劇に行くべきだ」と考えてきました。とはいえ、色々と手が回らない、どの公演を観に行ったらいいか分からない、そういう意見はあるでしょう。そんな時こそ、是非BITEキャラバンへ遊びに来て下さい。公演情報もお教えしますし、今回からチケプレも復活させました(これはツイッターから応募できるので、来場しなくても大丈夫ですが)。そういうところから、BITEらしい「若手演劇人への支援」ができたら……と考えています。

最後に。BITE POWER PUSH!!は、若手演劇人の観劇促進のみを対象にした企画ではありません。どなたでもご応募できますので、気になる公演がある方は、是非お気軽にご応募ください。今後もこの企画を通して、色々な作品を紹介し、後押ししていくつもりです。どうぞよろしくお願い致します。

投稿者プロフィール

園田喬し
園田喬し
○演劇ライター、編集者、演劇雑誌『BITE(バイト)』編集長。2005年より演劇専門誌『演劇ぶっく』の編集部員として国内現代演劇の最先端を取材。演劇ぶっく副編集長を経て、現在は演劇雑誌『BITE』を発行、マスメディアの取材対象になりにくい小劇場シーンを積極的に取り上げている。この他、演劇情報媒体での執筆や演劇関連事業に携わるなど、その活動範囲は多岐に渡る。年間観劇数は150〜200本程度。落語、散歩、文鳥が好き。
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